スナップオン掲載!Astro Pneumatic「Locking Pliers Slide Hammer Puller」レビュー

VELNIS
ミシェル
ミシェル

Locking Pliers Slide Hammer Pullerとは?


正式名称とスペックまとめ(英語説明書から和訳)

整備士歴16年──国家一級を取り、トヨタからランボまで見てきた俺でも、「これは初見でニヤけた」そんな工具がある。

正式名称は
Locking Pliers Slide Hammer Puller
ブランド名はAstro Pneumatic Tool Company

日本ではなかなか流通していないが、スナップオンのバンセールスで掲載されていたことで、整備士界隈でジワジワと知名度を上げてきている。

この工具の最大の特徴は、
「ロッキングプライヤー」×「スライディングハンマー」の合体。
簡単に言えば、“掴んで、引っ張って、ぶん殴る”という3拍子が一体化した逸品だ。

スペックは以下の通り:

項目内容
全長約630mm(24.8インチ)
ハンマー重量約1.13kg(2.5ポンド)
特徴スイベル機構による角度調整/ほとんどのロッキングプライヤーに装着可能な設計

また、プライヤー部の「方向性付きセレーション歯」が引っ張る力を逃がさず、対象物にしっかり食い込む構造になっている。


購入方法|どこで注文できる?

俺はスナップオンのバンセールス経由で入手した。正直、国内の工具ショップではまだ取り扱っていないことも多い。

だが、Amazonや楽天を探せば並行輸入品が見つかる可能性もある。

📦 【チェックポイント】
「Astro Pneumatic」表記を確認すること。
間違っても“アストロプロダクツ”を買ってしまっては意味がない。

見た目が似た安価品もあるが、滑ったときのリスクやハンマー時のブレが全く違う。


アストロプロダクツとの違いに注意!

ここはハッキリさせておきたい。

Astro Pneumaticと、
**アストロプロダクツ(日本の工具量販店)**は、
完全に別物だ。

  • Astro Pneumatic:アメリカのプロフェッショナル向け工具ブランド
  • アストロプロダクツ:日本国内の工具チェーン(DIY〜整備士向け)

この「Locking Pliers Slide Hammer Puller」は、前者──アメリカのAstro Pneumatic製。品質も設計思想も桁違いだ。

整備士が現場で使ったリアルレビュー


サビたボルトやナットを「叩き出す」

正直、この工具を初めて触ったとき、思わず笑った。

「いやこれ、やりすぎだろ……最高。

整備士ってのは“締める”仕事より、“外す”仕事の方が難儀なんだ。
特にサビたナットや固着したボルトに時間を取られるのは、現場あるある。

このLocking Pliers Slide Hammer Pullerは、
掴んで滑らず、2.5ポンドのハンマーで“ズドン”と引き抜く。

握ってる感触が、、、安価工具とはまるで違う。
重量があるのに手に馴染むし、一撃目からぶれないんだ。

しかも“掴み直し”がほぼ不要。滑らないから、
「イラッとして素手でぶん殴りそうになる瞬間」が消える。
それだけでも俺の中では神ツール認定だ。


2.5ポンドのハンマーが絶妙

この重量──約1.13kg(2.5ポンド)
絶妙って言葉を使うことに、初めて納得したかもしれない。

軽すぎれば引き抜けない。
重すぎれば手首が壊れる。

これはちょうどいい。
「整備士の感覚に合わせてある」と言っても過言じゃない。

しかも、首振りスイベル機構があることで、
打撃角度を変えても力が逃げない。
直線でも斜めでも、ピンポイントで衝撃を入れられる。

つまり、「入り込んだ場所にある嫌なサビ」にも、
ちゃんと届いて“叩き出せる”ってわけだ。


ハブボルトの打ち込みにも対応できる万能性

これを買ってから最初に使ったのは、実は「ハブボルトの打ち込み」だった。

通常なら当て木+ハンマーの“慎重な作業”が必要なところ、
このツールだと一発目から“自分のタイミング”で打ち込める。

プレスがある工場ならプレスでやることもあるが、ハブを外す必要が出てくる。

また、俺がよく使っていた方法は、貫通ナットを新品のハブボルトにスペーサーを噛ませて捩じ込んでいきボルトを引っ張って打ち込む方法。

この方法だとハブボルトの根本のねじ山が切られていないところで、ナットが潰れ、ナットを外す時に新品のハブボルトを傷付けながらハブナット回すことになる。

だから、スペーサーは必須なんだが、このLocking Pliers Slide Hammer Pullerを使うことで、不要なハブナットを新品のハブボルトにつけて、ナットを掴み、ハンマーで打撃して打ち込むことができる。

修理書通りの作業ではないが、かなり時短でできる。

さすがにハブナットを噛ませてインパクトレンチで回す作業に比べれば、スピードは落ちてしまうが、インパクトレンチのように勢いで潰してしまうというリスクもない。

📌工具の重さで任せて打つんじゃなくて、
「狙った一撃」を打てるんだ。まるで整備用のスナイパーライフル。

繊細だけど、力強い。
この感覚がわかる整備士は、間違いなく“こっち側”だと思ってる。


コッターピン抜きが一瞬で終わる!

もともとこの工具は「ピン抜き」にも対応するように設計されてる。

特に固着したコッターピンや、奥まった位置のブッシングに対しては本領発揮だ。

先にロックして、
軽く一発スライドさせれば……抜ける。

感覚で言えば、「ワイヤーを引っ張る」よりも
「何かを吸い出す」ような操作感に近い。

何度も再使用されたコッターピン(割りピン)をラジオペンチでつまんで悶絶してた時間が、もはやバカバカしく思えるほど。

他ブランドとの比較|なぜコレを選ぶのか?


安価製品との違い|首振り機構が神

世の中には“似たような見た目の工具”が山ほどある。
特にこの手の「スライディングハンマー付き工具」は、
安価な中華製品やDIY用モデルも多い。

でも──
首振り構造が入っているものは、ほぼない。

この首振りスイベル機構が、実は最大の差別化ポイント。

  • 奥まった部品に対して角度をつけて衝撃を加えられる
  • 曲がった位置でも“まっすぐ引き抜く”ことが可能
  • 作業者側に“角度の選択肢”が与えられる

つまり、整備士の手元で「融通が利く」んだ。
こういう部分に、“設計者が現場を知ってるかどうか”が出る。


ハンマリング時の“ぶれなさ”が最高

正直、最初は半信半疑だった。

「バイスの先にハンマーって……そんな安定する?」って。

でも握ってみたら分かる。
重心設計と素材のバランスが絶妙で、
スライドさせた瞬間にまったく軸がぶれない。

安物だと打撃時に横に逃げる感じがあるが、
こいつは一直線に力が集約されてる

俺はコンテナ修理時代に「ハンマー打撃で1mmのズレを許されなかった」経験がある。
だから分かるんだ──この安定感は“ガチ”。


どんな整備士に向いている?

俺がこの工具をオススメするのは──

  • 「珍しい工具」に反応してしまう整備士
  • 「スナップオンを8割揃えてるけど、まだ何か欲しい」人
  • 「整備士というより、職人としての精度」を求める人
  • 「奥さんに内緒で変な工具を増やしたい病」の人(笑)

特に30代以降で、作業効率よりも“所有満足”を求め始めた層にはドンピシャ。
仕事の武器としてはもちろん、
“趣味の延長線上にある最強兵器”って感覚で手元に置いておける。

工具紹介レビュー動画はこちら


使用感を動画で確認

百聞は一見に如かず──
どれだけ「掴んで、引っ張って、叩く」がすごいと書いても、やっぱり動きを見てもらうのが一番早い。

🎞️ 動画内は音声なし・字幕解説あり。
整備士なら見ただけで「欲しい」が伝わる構成にしている。


動きと音でわかる、スライディングハンマーの威力

この工具の面白さは、“音”にもある。

「カンッ」という音じゃない──
「ドスッ」「ズンッ」と質量で叩き込む重低音が鳴る。

動画内では、その音がしっかり聞き取れないかもしれないが。

個人的には俺がカチャカチャバイスを触っている音が好きだ。

スライドした時の音もたまらない。


音フェチな工具好きにはたまらないはずだ。

また、ハンマーが当たる瞬間の工具全体の動きの少なさにも注目して欲しい。
ぶれないって、こういうことか。
そう感じてもらえる映像になっている。

注文できるショップまとめ


Amazonでの取扱い

この工具を今すぐ手に入れるなら、まずチェックすべきはAmazon

「Locking Pliers Slide Hammer Puller」または
「Astro Pneumatic 78415」で検索すると、
並行輸入品海外直送品がヒットする場合がある。

✅【注意点】
商品名に「Pneumatic」や「78415」の表記があることを必ず確認。
「アストロプロダクツ製」と混同して購入しないようご注意。

🔗【Amazonで価格をチェックする】
あったらラッキーだと思っていい


楽天ショップでも注文可能?

楽天でも一部のショップが個人輸入代行海外工具専門店として取り扱っているケースがある。

  • Astro Pneumatic製品を扱う工具ショップ
  • 並行輸入系の総合パーツストア

が該当。

在庫が安定しないことが多いので、“見つけたら即買い”が基本。


📌VELNIS的アドバイス
工具好きは“使い道を考えてから買う”んじゃない。
**「使い道を探すために買う」**んだ。
この工具も例に漏れず──手元にあるだけで、作業の幅が広がる。

そして……奥さんに見つからないよう、工具箱の奥にそっと入れておけ(笑)

まとめ|面白工具好きの整備士にこそ刺さる一本


現場でバリバリ使うかどうかは──正直、人による。

でも俺は、この工具を**「職人の遊び道具」**だと思ってる。

  • サビナットを抜く
  • ピンを引っこ抜く
  • ハブボルトを打ち込む

どれも普通の工具でやれることだ。
でも、それを**“気持ちよく、楽しく、安全に”**こなせるって、
実はかなり大きなアドバンテージなんだ。


この工具の面白さは、
**「何に使う?」じゃなくて「何に使えるか試したくなる」**ところにある。

それがまさに──
工具沼の住人が求めてる感覚だろ?

もしもあなたが、

  • スナップオンのカタログでこの工具に目を奪われた
  • 普段は奥さんに怒られないように工具を隠してる
  • 作業効率よりも“所有満足”を優先するタイプだ

……なら、
この「Locking Pliers Slide Hammer Puller」は、
あなたの手元にあるべき工具だ。


俺はもう、手放せない。

そして次は、
この工具をどこで“暴れさせようか”を探してる。

Xからの読者コメントを期待している。
ブログ更新楽しみにしていてほしい。
著者情報|自動車整備士(元労働組合支部委員長):ヴェルニス監修
ヴェルニス-VELNIS
ヴェルニス-VELNIS
Final Form Mechanic
整備士歴16年。国家一級整備士としてトヨタ車からコンテナ修理、国家車両まで整備し、
“現場でしか得られない精度”を手に入れた男、それが俺、VELNISだ。
スナップオン特注アクセサリー第1号を握り、どんなブラック工場でも“職場に使われるだけの人生”を捨ててきた。
カタログスペックや求人票の条件だけでは現場は測れない。
俺が選ぶのは、“自分の技術が活かせる場所”、職場に使われるんじゃなく“職場を使える”働き方だ。
転職も、工具も、全ては“俺が選び抜いてきた武器”。
このブログでは、現場を知る俺だから語れる“職場の真実”と、“本当に使えるモノ”しか紹介しない。
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