ブラック企業の『有給ない』は誤り|パート・アルバイトも取得できる

ブラック企業の『うちの会社は有給ない』という話は誤りだ。
有給休暇は正社員だけの特権じゃない。
パートもアルバイトも対象だ。俺は2社目のコンテナ会社で「有給なし」を飲み込み、病欠した翌月に日給月給で手取りが激減した。
3社目の町工場では「有給はある」と言われたが毎年10日固定で、繰り越しても翌年リセット、パート有給・アルバイト有給は「そんなものはない」と言われた。
そこで残業代未払いを含め労働基準監督署に相談し監査を呼んだ。
結果、残業未払いのすべては隠蔽(タイムカード隠しなど)されたが、有給の付与は労働基準法どおりに是正され、パートとアルバイトにも有給休暇が出るようになった。
この記事は俺の実体験をベースに、「有給休暇がない」というブラック企業への対処、比例付与、年5日取得義務、時季変更権、断られた時の動き方をまとめ、使えるテンプレと早見表も置く。
君が抱える違和感は間違っていない。今からでも有給休暇を取り戻そうぜ。
ブラック企業|うちの会社は「有給ない」は間違っている

まず、有給休暇がないと言われたら不信感を持っていい。
付与要件・年5日の取得義務・時季変更の範囲が決まっている
結論から言う。有給休暇は「うちはない」で消せない。
発生の要件は入社から6ヶ月継続と出勤率8割以上。
ここを満たせば雇用形態(正社員、契約社員、パート、アルバイト)を問わず有給休暇が発生する。
さらに年10日以上付与される人は、5日は会社が必ず取得させる義務がある。
会社ができるのは「事業の正常な運営に重大な支障」があるときに**別日へ動かす(時季変更)**だけだ。許可制でも理由詮索でもない。
体験談|2社目のコンテナ修理会社で有給休暇ゼロ

俺が社会人として2社目に入社したコンテナ修理会社で、有給休暇がないとどうなるのか経験したことを話す。
『有給ない』と言われた現場で何が起きていたか
面接時の違和感……「うちは有給ないぞ」
最初に浴びせられたのは「うちは有給ないぞ」の一言だった。

いいのか?うちの会社は有給ないぞ。給料も高くないし。

はい、大丈夫です。
俺は簡単に返事をした。
冗談に聞こえたが、表情は本気だ。
俺はある理由で世界一のトヨタディーラーを辞めて、溶接スキルを身につけるべく、海上コンテナの修理会社に飛び込んだ。
海上便で波に揺られ、海の水圧や嵐でボコボコになって日本に送られてきたコンテナを元の状態に復元する仕事だ。
職場の人間関係は驚くほど良く、潰れ方や変形の仕方が1つ1つ異なるコンテナを修理するという仕事も面白い。
俺は楽しく仕事ができていた。
病欠=即減給、そして“慣習”が権利を消す現場
が、ある時、俺は生牡蠣の食い過ぎで人生初のノロウィルスにかかってしまった。
高熱に加え、下痢と嘔吐が止まらないし、ものすごい倦怠感だ。
仕事を休んでしまった。
が、しかし。
有給休暇がないと言われていたことを思い出し、この場合の給料はどうなるのかと疑問を持った。
有給休暇がない=絶望
翌月、給料をもらった。
給与明細を見て、驚くというよりも、落胆が大きかった。
トヨタディーラー勤務からの転職だったため、会社員というのは、1ヶ月の給料は固定されているものだと思っていた。
日給月給。
初めて聞いた言葉だった。
熱が出て一日休めば、その分だけ手取りが落ちる。
日給月給というのは、1日出たら、給料が発生するというものだ。
つまり、出勤した回数×日当。
休めば休むだけ給料は減るし、大型連休があれば、その月の給料は激減する。
家庭があれば、日給月給は生活を脅かす。有給休暇がないというデバフもかかり、給料は激減。
子供が一人いたら、生活なんてしていられない額だ。
これをキッカケに俺はトヨタ時代に労働組合の支部委員長をしていたが、世の中には常識をはるかに超越する問題を抱えている会社がいることに気づいた。
ここから、俺は自分の正当な権利を得るために、労働基準法について、書籍をあさり、弁護士に確認したり、起業家のコミュニティに参加していた社労士に話を聞いたりして、多くのことを学んだ。
あとで、書こうと思っているが、
社労士がブラック企業とグル
になっていることがある。
入社してから気づいたブラックな労働条件
さっきも言ったが、職場環境は悪くはない。
例外なく、全員が仲良く会話し、協力しあい、食事会や飲み会は全員が自主的に行きたいと言うほど、コミュニケーションは良かった。
だが、病気で休んだ時に気づいた。この労働条件の悪さを。
職場環境の良さのおかげで気づくことができなかったが、労働条件の悪さがズバ抜けていた。
- 有給休暇がない
- 残業代はつかない(もちろん22時以降でも給与は変わらない)
- 休日出勤しても振替休日がない
- 労災を使わせてもらえない
- 日給月給だった
- 賞与がない(これは会社の自由だ)
- 給与が手取り13万円(T社の時は手取り26万円、手取り賞与年70万円弱)
- 36協定がない(雇用契約も結んでいない)
- 会社規約もない

ミシェル、お前にはこれが何を意味するのか、わかるか?

ええ、あなたのように家庭をもつ人の場合、
生活に大きな影響を与えるわね。

そうだ。まずは日給月給であることと、有給休暇がない時点で、生活は困窮する。
つまり、1日会社を休むたびに給料が1日分無くなる。
もちろん、有給休暇はない。
簡単に言うと有給休暇は入社日から半年後に10日付与される。
その後1年目を除き、以後は1年ごとに2日追加された状態で付与される仕組みだ。

この辺の話はあとでしっかりと深掘りして話す。まずは俺の3社目の体験談も知っておいて今後に参考にしてほしい。
体験談|3社目の町工場の年休毎年10日固定・繰越リセット
コンテナ修理時代の経験から、弁護士や社労士、書籍から多くの知識を取り入れ、労働基準法の知識をアップデートし、新生ヴェルニスとして民間整備工場に再転職。
間違いなく「有給はある」という事実を確認した上での入社だった。
が、フタを開ければ毎年10日固定。
本来、もらえるはずの有給休暇がもらえないという事実が判明した。
勤続が伸びても増えることなく、有給休暇の付与日数は毎年10日が固定される。
未消化分は翌年リセット。
さらに、働いている中で気づいたことがあった。
パートとアルバイトの人が有給休暇取ることなく、家族旅行に行っていたり、病院に行っていた。
俺は気になってしまい、有給休暇を取らずに休んでいる人たちに質問してみた。

なぜ有給を取らないんだ?
と。
「え?有給はないからだよ。有給って社員だけがもらえるんでしょ?」
いや、間違っている。
この人たちは知らないんだ。
確かに俺もアルバイトをしていた学生の頃に有給休暇は社員の人しかもらえないものだと思っていた。
令和になっても誤認が絶えない「パート・アルバイト=有給なし」
令和になっても、その誤解は多い。
俺は自分の持っている労働基準法の知識に基づいて、社長に聞いてみた。
パートの人たちって有給休暇ないんですか?と。
即答だ。

「パートとアルバイトなんて有給あるわけないじゃん」
バイトで有給もらったことないでしょ?あるわけないじゃん、そんなの。
とまで言われた。
経営者として終わっていると感じたと同時にこの会社への不信感が強くなった。
俺がこの記事を書いている時点で、副業としているバイト先はアルバイトでも有給休暇があると面接の段階で言われ、使い方もその時に教えてくれた。
これが普通だ。正常なんだ。
俺の体験したブラック企業の体験記を書いたプロフィールがある。
もし、興味があれば、読んでみてくれ。こんな職場に行かないようにしようと思えるし、避けるための参考になると思っている。

生活への直撃と“慣習”の怖さ
人間関係が良くても、制度がズレていれば生活が削れる。現場の“慣習”は、ときに権利感覚を鈍らせる。だからこそ法の基準を先に握っておく。
社内ルールより法が優先——「有給ない」は通用しない
会社のローカル運用がどうであれ、法が優先だ。俺はこの前提に立ち戻り、次章以降で現場を動かすための“正しい地図”を並べる。
有給付与のタイミングや日数(半年後、2年目以降など)

ミシェル、読者が理解できるようにまずは基本的な有給休暇の付与に関して、簡単にまとめてもらえないか?

ええ、もちろんよ。
では、会社の有給休暇について私から説明するわね。
労働基準法に基づく「年次有給休暇」の基本ルール
- 入社日から6ヶ月間継続勤務し、かつ8割以上出勤している場合
⇒ 10日 の年次有給休暇が付与されるわ。 - その後は1年ごとに勤続年数に応じて付与日数が増加
⇒ 上限は 20日(6年6ヶ月以上の勤務)よ。
あなたがイメージしやすいように表を作ってみたわ。
例:4月1日入社時の付与スケジュール:
勤続年数 | 付与日 | 有給日数 |
---|---|---|
0.5年後 | 10月1日 | 10日 |
1.5年後 | 翌年10月1日 | 11日 |
2.5年後 | 翌々年10月1日 | 12日 |
3.5年後 | 同様に10月1日 | 14日 |
4.5年後 | 同様に10月1日 | 16日 |
5.5年後 | 同様に10月1日 | 18日 |
6.5年以上 | 同様に10月1日 | 20日 |
繰越について:
- 有給休暇は 発生から2年間有効(つまり翌々年の同日まで)
例:2025年10月1日に付与された10日は、2027年9月30日には消化しなければならないの。
補足情報(誤解しやすい点):
法定以外にも企業独自で上乗せ付与することも可能よ。
例:初年度から13日などすることも可能。
有給休暇は「前年分の未消化分+今年分」で 最大40日まで保持可能。


もし、この条件から外れているのなら、違法な可能性が高いと言えるわね。

ミシェル、心から君に感謝するよ。
ここで、俺が過去に経験した有給休暇のあり方を簡単にまとめておこう。
実際に経験したブラック企業の有給制度
- 有給休暇自体が存在しない(2社目で経験)
- 毎年10日のみ付与(3社目で経験)
- 毎年有給休暇の残数”消滅”(3社目で経験)
※2社目、3社目はパートとアルバイトも有給休暇はない
パート・アルバイトにも有給がある
もちろん、正社員だけじゃない。条件を満たしていれば、パートでもアルバイトでも必ず有給休暇は付与される。

比例付与の仕組みと上限・時効が明確
非正規でも年休は出る。週の所定労働日数が4日以下または週30時間未満なら比例付与になる。初回の目安は週4日=7日/週3日=5日/週2日=3日/週1日=1日。フルタイムは初回10日から始まり、勤続に応じて上限20日まで伸びる。有効期限は2年、未消化は翌年へ繰越でき、最大40日まで保持可能だ。
労基署へ相談→監査→運用是正でパート・アルバイトにも付与
俺は3社目において有給の付与と残業未払いの事実を労基署に相談した。
匿名だといつかは監査にいくが、すぐには動けない。長いと2年後とかになると言われた。
俺は実名で労基署に真実を語った。
すぐに監査が入り、基準日の設定、台帳整備、比例付与の実施、申請は受理が原則、時季変更の要件明文化まで運用が揃った。結果、パートとアルバイトにも有給が付与されるようになった。
俺は自分の身を守るため、パートの人やアルバイトの人にも有給休暇があるという事実を知ってもらいからこそ、労働基準監督署に出向いていた。
まず「基準日・残日数・付与日数」を掴む
自分の基準日と残日数、そして今年の付与日数を確認する。ここが曖昧なら、就業規則と勤怠で必ず裏を取る。見える化が、最初の一歩だ。
タイムカードなどは隠蔽されるからコピーできるならコピーしておきたいところだ。
写真なんかでもいい。
「有給を断られた」時はこう動く【時季変更権/年5日 取得義務】
年休は“時季指定”、会社は“時季変更”——許可制や理由強要は不適切

申請理由「私用」って何と聞いてくる上司や社長もいるが、そもそもプライベートの確認をしてくること自体ヤバいやつだ。
年休は労働者が日を指定して使う権利。原則、理由は「私用」で十分。
会社は“重大な支障”があるときだけ別日を提示できる。恒常的な人手不足や抽象的な「忙しい」は、永続的な拒否の根拠にはならない。
証跡申請→拒否理由の書面化→外部相談の3ステップ
俺はまず証跡が残る方法(メール・チャット・申請フォーム)で申請した。
テンプレは「◯/◯に年休を取得します(理由:私用)。
支障があれば具体的理由と代替日をご提示ください。」だ。拒まれたら理由を文字で受領し、就業規則・勤怠・明細と合わせて保存。必要に応じて総合労働相談コーナー/労基署へ持ち込む。
会社が独自に作っている勤怠システムを利用してもいいが、外部のクラウド管理システムの方が安心できる。
それでも改ざんされてしまうことがあるため、自分の手元に確実に証拠が残るメールなどがおすすめだ。
ここにメールで有給休暇を申請するときのテンプレートを用意しておくから、必要なところをコピペして、スマホやPCのメモなどに保存しておくといい。
件名:年次有給休暇の取得について(MM/DD)
宛先:【上長名】様
CC:【必要に応じて人事/チーム】
お疲れさまです。【所属】【氏名】です。
【MM/DD(曜)】に年次有給休暇を【終日】で取得します。(理由:私用)
引継ぎ:
・【案件A】は【担当者名】へ共有済み
・当日の連絡先は【連絡手段】、緊急時は【電話番号】
事業上の具体的な支障がある場合は、理由と代替日をご提示ください。
よろしくお願いいたします。
【氏名】
【署名(所属・電話・メール)】
② 半休(AM/PMの指定)
件名:年次有給休暇の取得について(【MM/DD】半日)
宛先:【上長名】様
CC:【必要に応じて人事/チーム】
お疲れさまです。【所属】【氏名】です。
【MM/DD(曜)】に年次有給休暇を【午前/午後の半日】で取得します。(理由:私用)
引継ぎ:
・【午前/午後】の対応は【担当者名】へ依頼済み
・【会議名】は資料共有済み/出欠【変更・代理出席】
事業上の具体的な支障がある場合は、理由と代替案をご提示ください。
よろしくお願いいたします。
【氏名】
【署名】
③ 複数日(連続・分割)/年5日の計画取得
件名:年次有給休暇の取得計画(【MM~MM】)
宛先:【上長名】様
CC:【必要に応じて人事/チーム】
お疲れさまです。【所属】【氏名】です。
下記日程で年次有給休暇を取得します。(理由:私用)
・【MM/DD(曜)】終日
・【MM/DD(曜)】終日
・【MM/DD(曜)】半日(午前/午後)
※年10日以上付与対象のため、年5日取得の計画に沿った申請です。
引継ぎ・体制:
・【業務/案件】は【担当者名】へ引継ぎ完了
・緊急連絡は【連絡手段】、当番は【氏名】
事業上の具体的な支障がある場合は、理由と代替日をご提示ください。
よろしくお願いいたします。
【氏名】
【署名】
④ 断られた/日程変更要請を受けた際の返信(理由の明示と代替日の提示を依頼)
件名:年次有給休暇の時季変更のご連絡について(【MM/DD】)
宛先:【上長名】様
CC:【必要に応じて人事/チーム】
【MM/DD】の年次有給休暇取得につき、時季変更のご連絡を拝見しました。
事業上の具体的な支障の内容と期間のご教示をお願いできますでしょうか。
合わせて、会社側のご提案日(代替日)をご提示ください。
私からの代替案は以下のとおりです。
・第1候補:【MM/DD】
・第2候補:【MM/DD】
・第3候補:【MM/DD】
調整のほど、よろしくお願いいたします。
【氏名】
【署名】

ちなみに連絡先など書いてあるが、電話はかかってくることはある。
労働基準監督署に聞いた話だが、短い電話だと特に問題にはならないと言われた。
もっと強い、弁護士などに言えば、話は変わってくるだろうが、5分の電話をやめさせるだけで、弁護士に相談する費用を考えると、確実に赤字になるため、やめた方がいい。
俺は「電話は出られません。どうしても聞きたいことがある場合はメールで聞いてください」と最初からバリアを張っている。
一回言わないと基本的にはわからない。
あとは休みの日は絶対に電話に出ないと決めることで、自然と休みの日は電話に出ない人だと認知される。
1ヶ月も休み中の電話を無視すれば、おのずと休みの日は電話をしてこなくなる。
手順は「規程確認→証跡申請→外部相談」
感情で押し切らず、ルール→記録→窓口の順で進める。これが一番早い。
有給休暇でよくある言い訳は論破しろ
法が上位、時季変更は例外、年5日義務と不利益取扱いNGが土台
社内のローカル運用より法が上位だ。
年休は労働者の時季指定権、会社側は“重大な支障”がある時だけ時季変更を求められる。
年10日以上付与される人には会社の年5日取得義務がある。
取得を理由に評価や手当を落とすのは不利益取扱いで火種になる。
ここを押さえれば、多くの“言い訳”は崩れる。
顧問社労士の「OK」は白の証明じゃない
冒頭で少し触れたが、「うちは社労士を入れているからホワイト」——この台詞は当てにならない。
社労士は助言と手続の専門家で、最終判断や是正命令を出すのは労基署だ。
現場運用がズレていれば、条文に戻して突き合わせる。見るべきは肩書きではなく、就業規則・労使協定・年休台帳。ここが出てこない会社は危ない。
俺がいた町工場でも「社労士が大丈夫と言っている」で止まっていたが、基準日の設定・台帳整備・比例付与すら見落とされていた。
さらに言うと、健康診断もなければいけないが、それすらもなかった。
社労士がどのような立場なのか、グルの詳しい見抜き方と対処は別記事にまとめた。
また、税理士もそうだ。税理士とグルになり、プライベートで高級車を乗り回している社長も税務署をうまく騙している。税理士が税金対策として社長に提案することはよくある話。
この辺はYouTubeでもよく見る光景だ。
税理士と経営者がグルになっている記事もそのうち書くとしよう。
現場で飛んでくる常套句(じょうとうく)と、俺の切り返し
- 「パートは対象外」
俺の切り返し:「入社6ヶ月・出勤率8割で年休発生。雇用形態は問わない。付与基準日と残日数の台帳を確認させてくれ。」 - 「理由を書け。許可制だ」
切り返し:「◯/◯に年休を取得する(理由:私用)。事業上の具体的な支障があるなら代替日を提示してほしい。受理ベースで進めよう。」 - 「計画的付与で全部埋めるから個人では取れない」
切り返し:「個人が自由に使える5日は必ず残す前提。会社指定分と個人分を分けて運用してくれ。」 - 「忙しい。人手がいない」
切り返し:「抽象的な多忙ではなく、具体的な支障の根拠と期間を提示してほしい。代替案(配置換え・シフト調整)を一緒に検討しよう。」 - 「取ったら評価と手当に響く」
切り返し:「年休取得を理由にした不利益は避けてくれ。評価表と手当の要件を文書で確認したい。」
なんて思われようが関係ない。
確かに言いにくい場面もあるだろうが、会社に合わせていたらいつまで経っても、休まる生活はできなくなる。

俺のようになるな。最終手段は…
「労基に言いますが、いいですか?」
この一言で全てが終わる。
即チェックリスト(危険度の見分け方)
- 危険度高:パート・アルバイト年休なしと言い切る/台帳なし・非開示/許可制・理由詮索/計画的付与で個人5日ゼロ/取得後に評価ダウン
- 危険度中:比例付与や出勤率の理解が曖昧/口頭申請を好む(記録が残らない)
- 危険度低:基準日・残数が見える/受理ベース運用/時季変更の理由と代替日を文書提示
言質は文字で取り、台帳と勤怠で裏付ける
感情ではなく記録で進める。申請は必ず証跡の残る形で出し、会社側の回答も文字で受け取る。
基準日・付与日数・残日数は台帳と勤怠で突き合わせる。
ここまで固めれば、次の一手(社内是正→外部相談)へブレずに移れる。
次章では、入社前に“取れない職場”を避けるための見抜き方を並べる。
入社前に“有給が取れない職場”を【面接・求人で見抜く】
求人票と面接回答には運用の成熟度がにじむ
有給の運用が整っている会社は、求人票と面接の段階で情報が出てくる。
有給消化率、付与の基準日、時間単位年休の有無、計画的付与の運用、代替人員の考え方。
最近のdodaなど求人票には「年休の初回付与日」が書かれているとともに、付与時期も記載されていることが多い。
逆に、ここを濁す会社は現場の管理が追いついていない可能性が高い。
転職や新卒で入社する前に見抜けば、消耗を避けられる。
有給の記載がない求人は要注意だ。
入社する前にブラック企業を見抜く方法をガチガチに書き記した記事がある。
俺が転職活動で転職サイト、エージェントを20社以上登録し、ブラック企業に共通するポイントをまとめた内容になっている。
もしよかったら読んでみてほしい。

俺が面接で必ず聞く質問と、NG回答の型
俺は次の質問で、有給運用の“地図”を描く。
- 「有給の基準日はいつですか?」
→ NG例「部署ごとに違うので分かりません」「入社してから説明します」
→ 期待例「入社から6ヶ月後に一律付与、以後は毎年同日」 - 「有給消化率と、前年の取得実績を教えてください」
→ NG例「個人差があります」「数字は出していません」
→ 期待例「全社平均は約60%、年5日の義務は全員達成」 - 「時間単位年休や半日年休は運用していますか?」
→ NG例「忙しいので基本不可」
→ 期待例「労使協定あり。年5日分の範囲で時間単位可」 - 「計画的付与はありますか? 個人の5日は確保されていますか?」
→ NG例「繁忙期は会社指定で全日消化」
→ 期待例「会社指定は一部。個人が自由に使える5日は必ず残す」 - 「付与日数の台帳や勤怠システムで、残日数を自分で確認できますか?」
→ NG例「人事に聞いてください」
→ 期待例「勤怠画面で本人が即時確認可能」 - 「代替要員やシフト設計はどう回していますか?」
→ NG例「都度変更があるので、その時に決めています」
→ 期待例「繁忙カレンダー・多能工化・派遣活用で事前に計画」
求人票で拾う“地雷”のサイン
- 「有給あり」とだけ書いて取得実績を出さない
- 固定残業や裁量労働を強調し、休暇説明が薄い
- 福利厚生が網羅的でも、有給の基準日や消化率の記載がゼロ
- 「試用期間中は有給なし」(法の土台からズレやすい運用の匂い)
迷ったら選ばない——次の選択肢へ進む
回答が曖昧なら、無理に賭けない。
俺は、運用の透明性が低い会社は選ばないと決めている。
代わりに、条件がクリアな会社へ当たりを増やす。
先ほど紹介した別の記事でブラック企業の共通点を確認し“地雷”の全体像を押さえ、整備士向け転職サイト・エージェント・口コミランキングで安全側の選択肢を確保する。
入社前に見抜ければ、入社後に戦う必要がない。
それが一番の省エネだ。
違和感はサイン。今日から取り戻す【まとめ】
知識と記録が、現場の運用を動かす
「うちは有給ない」は社内の都合でしかない。
年休は入社6ヶ月・出勤率8割で発生し、年10日以上の付与がある人には会社の年5日取得義務がある。会社ができるのは時季変更という例外対応だけだ。
だから、先に法の基準を握り、次に証跡を積む。これでローカル慣習は上書きできる。
俺の現場で起きたこと——是正は再現できる
俺は2社目コンテナで「有給なし」を飲み込み、病欠で手取りが落ちた。3社目町工場は「有給はある」と言いながら毎年10日固定・繰越リセット、しかも「パートとアルバイトは有給なし」。
ここで労基署へ相談し、監査が入った。結果、基準日の設定・台帳整備・比例付与の実装・申請は受理ベース・時季変更の要件明文化まで運用が直り、パートとアルバイトにも有給が付与されるようになった。
残業代の未払の証拠の一部は隠蔽されたが(詳細はプロフィール)、少なくとも年休は法どおりになった。これはどの現場でも再現できる手順だ。
今日やる3つ(最短ルート)
- 基準日・残日数・付与日数を掴む
勤怠や明細、就業規則で確認。見えないなら閲覧請求。自分の週あたり勤務日数で比例付与を照合(週4=7日/週3=5日/週2=3日/週1=1日)。 - 5日を先にブロックし、証跡で申請
年間カレンダーに5日を仮押さえ→上長へ共有。文面は「◯/◯に年休を取得します(理由:私用)。支障があれば具体的理由と代替日をご提示ください。」で出す。口頭は使わない。 - 拒否されたら、理由の文字化→代替日協議→外部相談
拒否は理由を文書で受領。勤怠・申請ログ・給与明細・チャット履歴を一式保全。解決しなければ総合労働相談コーナー/労基署へ持ち込む。
――我慢は美徳じゃない。違和感はサインだ。
基準を握り、記録で固め、手順で動く。それでも進まないなら、環境を変える選択肢に切り替える。
俺は現場を変えた。次はお前の番だ。
